自由投稿　　　”ゲーリープレーヤーさんの思い出”　　　柴田悠三​​

　199４年3月から2003年10月迄、足掛け10年間、香港で勤務しました。 香港地場銀行のナンバー２としての赴任でした。広いマンション、お手伝いさん、大型ベンツに運転手付きと言う、日本では味わえない楽しい駐在員生活を送りました。 ロイヤル香港GCのメンバーとして、年間１００ラウンド、１０年間に１０００ラウンドほどプレーしました。お客様のほとんどが地場企業でしたので、お付き合いもほとんどが、香港人でした。とにかく皆さん底抜けに大金持ちで、ゴルフ仲間の一人に　(３０代後半)、うちの銀行に預金してよ！と言いましたら、翌日に個人名で5億円、ポン！と、新規に預けてくれました。とにかくみんな凄いです。 ロイヤル香港のゴルフでも、毎回握るのですが、　必ず私が負けて、ひと月の給与の半分くらいが飛んで行ってしまうという、悲惨な目にもあいました。 香港が英国から中国に返還される直前だったと思いますが、中国深圳にミッションヒルズCCと言うゴルフ場が造られ、そのオープニングに招待されました。その時深圳では、私どものバスはパトカーに先導され、信号は全て青、ノンストップでゴルフ場に到着できました。 オープニングに参加しました一番の理由は、何よりもゲーリー　プレーヤーさんとラウンドが出来るということです。 3ホールずつプレーヤーさんとラウンドさせていただくこととなりました。 私は2番目の組だったので、４，５，６番の3ホールをご一緒しました。 プレーヤーさんは、大の日本ファンで、日本は素晴らしい国だと何度も何度も、仰って居て、大変好印象の紳士でありました。印象に残っていますのは、6番ホールがパー３のショートホールで１６８ヤードありましたが、彼はホールインワンをするよ！と宣言し打たれましたが、ボールはピンそば２メートルに止まり、彼はちょっと残念そうでした。3ホールを終了した後、記念写真を撮り、スウィングのワンポイント　アドバイスをお願いすると、　　　” Mr.Shibata, your swing is beautiful and perfect. No need to change your swing at all. Keep it!” と言うお言葉を頂きました。写真はその時のものです。 その言葉に自信を貰い、練習に邁進し、香港人とのゴルフにも次第に負けなくなりました。 ロイヤル香港GCの各種コンペにも参加し、大きな大会で優勝も致しました。 華僑のゴルフコンペで”North & South”　と言うexclusiveな大会があり、中々このコンペには招待させてもらえないのですが、日本人でただ一人、招待状が届いて後半の5年間、参加も出来ました。香港の行政長官、大蔵大臣、中央銀行総裁等々との食事会なども、良き思い出の一つです。 私も日本に戻り、今は年金生活者となりました。香港の10年は夢の世界の出来事だと思っています。 今は昔。現在の香港はすっかり変わってしまった様です。毎年の様に訪れていた香港も随分遠くなってしまいました。これからの彼らの幸せをを祈りながら、筆を置く事と致します。